お使いのiPhoneのバッテリーが膨張してしまい、その処分方法についてお困りではないでしょうか。膨らんだバッテリーは、時に爆発の危険性を伴うため、安全な処理が求められます。この記事では、古いスマホのバッテリーが膨張した場合の適切な処分方法について、公式情報を基に詳しく解説します。
リチウムイオンバッテリーの処分には、本体のデータ処理や環境への配慮も欠かせません。一般のショップでの対応や、無料で処分できるのかといった疑問にもお答えします。万が一のバッテリー膨張に備え、適切な相談先や処分方法を理解し、安全に対応するための知識を深めていきましょう。
この記事でわかること
- バッテリーが膨張する原因と潜在的な危険性
- 膨らんだ場合に絶対にしてはいけないこと
- 安全で正しい処分方法と相談できる窓口
- 処分前に必ず済ませておくべきデータ処理の手順
iphoneのバッテリーが膨らんだ際の処分方法を解説
- バッテリー膨張による爆発の危険性
- リチウムイオンバッテリーが膨張する原因
- 膨らんだスマホ本体にしてはいけない処理
- 膨張した場合の安全な応急処置
- 古いiphoneのバッテリー処分に関する相談先
バッテリー膨張による爆発の危険性
iPhoneに使用されているリチウムイオンバッテリーは、膨張した状態を放置すると、発火や爆発に至る危険性があります。これは決して大げさな話ではなく、実際に消防庁からも注意喚起がなされている事象です。
総務省消防庁の発表によると、リチウムイオンバッテリーが関連する火災事故は年々増加傾向にあります。(出典: リチウムイオン蓄電池からの火災に対する注意喚起について |消防庁予防課 |PDF)バッテリー内部で異常な化学反応が起こり、可燃性のガスが発生することが膨張の主な原因です。このガスが溜まった状態で、外部から衝撃が加わったり、穴が開いたりすると、内部でショートが起こり、発火につながる可能性があります。
特に、ゴミ収集車や処理施設での火災原因となるケースが多く報告されており、一般ごみと一緒に捨てる行為は非常に危険です。膨張という見た目の変化は、バッテリーが内部的に深刻な問題を抱えているサインであり、速やかに使用を中止し、適切な方法で処分を検討することが大切になります。
リチウムイオンバッテリーが膨張する原因
リチウムイオンバッテリーが膨張する主な原因は、バッテリーの劣化によるものです。バッテリーは消耗品であり、充放電を繰り返すうちに内部の電解液が徐々に劣化し、ガスを発生させます。このガスがバッテリーの内部に溜まることで、外装が膨らんでしまうのです。
劣化を促進させる要因はいくつか考えられます。
経年劣化
長期間の使用による自然な劣化は避けられません。一般的に、スマートフォンのバッテリーは500回程度の充放電サイクルが寿命の一つの目安とされています。これを超えて使用を続けると、性能が低下し、膨張のリスクも高まります。
過充電・過放電
充電が100%になってもケーブルを繋いだままにする「過充電」や、バッテリー残量が0%の状態で長期間放置する「過放電」は、バッテリーに大きな負荷をかけ、劣化を早める原因となります。
高温環境での使用・保管
スマートフォンを直射日光の当たる車内や、暖房器具の近くなど、高温になる場所に放置することもバッテリーの劣化を促進させます。高温は内部の化学反応を不安定にし、ガスの発生を助長します。
物理的な衝撃
iPhone本体を落下させるなどの強い衝撃が加わることで、バッテリー内部の構造が損傷し、ショートを起こして膨張につながる場合もあります。
これらの原因が複合的に絡み合うことで、バッテリー膨張のリスクは高まると考えられます。
膨らんだスマホ本体にしてはいけない処理
バッテリーが膨張したiPhoneを発見した際、慌てて誤った対処をしてしまうと、状況をさらに悪化させる恐れがあります。安全を確保するため、以下の行為は絶対に行わないでください。
まず、膨張したバッテリーに穴を開けたり、分解しようとしたりする行為は極めて危険です。内部の可燃性ガスが外部の酸素と反応し、発火や爆発を引き起こす可能性が非常に高くなります。中身がどうなっているか気になっても、決して手を出してはいけません。
次に、膨張した状態で充電を続けること、そして電源を入れて使用し続けることも避けるべきです。通電させることでバッテリー内部の化学反応がさらに活発になり、発熱やさらなる膨張を招き、最悪の場合、発火に至ります。
また、本体が変形しているからといって、元に戻そうと圧力をかける行為も危険です。内部でショートが発生する原因となり、予期せぬ事故につながります。
そして最も重要な点は、一般ごみや不燃ごみとして捨てることです。前述の通り、ごみ収集車や処理施設での火災事故の大きな原因となっており、社会的な問題にもなっています。必ず、これから解説する正規のルートで処分してください。
膨張した場合の安全な応急処置
万が一、お使いのiPhoneのバッテリーが膨張していることに気づいた場合、安全を最優先に行動することが求められます。パニックにならず、落ち着いて以下の応急処置を行ってください。
第一に、すぐにiPhoneの電源をオフにしてください。もし充電中であった場合は、直ちに充電ケーブルを抜きます。これ以上の通電を防ぎ、バッテリー内部の化学反応を抑制することが目的です。
第二に、保管場所を確保します。周囲に燃えやすいものがない、安全な場所へ移動させましょう。最適なのは、金属製の缶や鍋など、燃えにくい容器の中に入れて保管することです。これにより、万が一発火した場合でも被害を最小限に食い止めることができます。保管場所は、直射日光が当たらず、高温多湿にならない風通しの良い場所が望ましいです。
この応急処置は、あくまで一時的なものです。長期間自宅で保管することは新たなリスクを生む可能性があるため、できるだけ早く、専門の回収窓口へ持ち込む準備を進めてください。
古いiphoneのバッテリー処分に関する相談先
バッテリーが膨張してしまった古いiPhoneの処分について、どこに相談すれば良いか分からない場合もあるでしょう。適切な処分を行うためには、信頼できる専門の窓口へ相談することが鍵となります。
最も推奨される相談先は、Appleの正規サービスです。具体的には、「Apple Store」や「Apple正規サービスプロバイダ」が挙げられます。これらの店舗では、Apple製品に関する専門知識を持ったスタッフが在籍しており、膨張したバッテリーの危険性を理解した上で、安全な回収・リサイクルプロセスを案内してくれます。
次に、現在契約している、あるいは過去に契約していた携帯電話のキャリアショップも有効な相談先です。NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルといった大手キャリアは、「モバイル・リサイクル・ネットワーク」に参加しており、メーカーや機種を問わず、使用済み携帯電話の回収を行っています。膨張したバッテリーについても、多くの場合は受け入れ態勢が整っています。
また、お住まいの自治体の担当窓口(環境課やごみ減量推進課など)に問い合わせる方法もあります。自治体によっては、有害ごみとして特別な回収ルートを設けている場合があります。ただし、自治体ごとにルールが異なるため、必ず事前にホームページで確認するか、電話で問い合わせることが必要です。
これらの正規の窓口に相談することで、安全かつ環境に配慮した形でiPhoneを処分できます。
iphone バッテリーが膨らんだ場合の処分先の選び方

- Appleショップでの安全な処分方法
- モバイルショップや一般の回収拠点
- バッテリーの無料処分は可能か?
- 処分前に必須のデータ処理と初期化
- バッテリー膨張に関するQ&Aを解説
- まとめ:iphone バッテリーが膨らんだ際の最適な処分
Appleショップでの安全な処分方法
膨張したiPhoneのバッテリーを最も安全かつ確実に処分する方法は、Appleの公式サービスを利用することです。Appleでは、環境保護の観点から製品のリサイクルを推進しており、膨張したバッテリーであっても適切に処理する体制が整っています。
Apple Storeへの持ち込み
お近くのApple Storeに直接持ち込む方法があります。店内の「Genius Bar」を予約し、スタッフに事情を説明すれば、無料で引き取ってもらえます。専門のスタッフが対応するため、安全性の面で最も信頼できる選択肢と言えるでしょう。
Apple正規サービスプロバイダへの持ち込み
カメラのキタムラやビックカメラなど、Appleの正規修理サービスを提供している店舗でも同様に回収を受け付けています。お近くにApple Storeがない場合に便利な選択肢です。
バッテリー交換という選択肢
もし、お使いのiPhoneを今後も使用し続けたい場合は、処分の代わりにバッテリー交換を依頼することも可能です。
| 機種 | AppleCare+加入時 | 保証対象外の場合の料金(目安) |
|---|---|---|
| iPhone 15 シリーズ | 0円※ | 15,800円 |
| iPhone 14 シリーズ | 0円※ | 15,800円 |
| iPhone 11~13 シリーズ | 0円※ | 14,500円 |
| iPhone X, SE (第2, 3世代)など | 0円※ | 11,200円 |
(出典:バッテリー - サービスとリサイクル - Apple(日本), 2025年10月時点)
料金は機種によって異なりますが、保証期間内やAppleCare+に加入している場合は、条件を満たせば無料で交換できる可能性があります。処分と交換のどちらを選ぶかは、機種の古さや本体の状態を考慮して判断しましょう。
モバイルショップや一般の回収拠点
Appleの公式サービス以外にも、膨張したiPhoneを処分できる窓口は存在します。
キャリアショップでの回収
NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどのキャリアショップでは、ブランドやメーカーを問わず、使用済みの携帯電話やバッテリーを無料で回収しています。これは「モバイル・リサイクル・ネットワーク」という業界全体の取り組みによるものです。膨張したバッテリーに関しても、多くの店舗で安全に回収してもらえますので、契約しているキャリアに関わらず、最寄りのショップに持ち込むことが可能です。
自治体の回収ボックス
お住まいの市区町村によっては、公共施設やスーパーマーケットなどに「小型家電回収ボックス」を設置している場合があります。ここに投函することでリサイクルされます。ただし、自治体によって回収品目やルールが異なり、特に膨張したバッテリーは危険物として別途回収しているケースが多いため注意が必要です。投入する前に、必ず自治体のホームページで「膨張したバッテリー」の回収ルールを確認するか、担当部署に電話で問い合わせてください。
家電量販店の注意点
注意点として、多くの大手家電量販店では、膨張したバッテリーの回収に応じていません。これは、家電量販店が参加しているリサイクル団体「JBRC」の規定で、破損・膨張したバッテリーは回収対象外と定められているためです。(出典:廃棄方法(回収対象/対象外説明) | 小型充電式電池のリサイクル 一般社団法人JBRC) 回収ボックスが設置されていても、膨張したものは入れずに、必ず店員に相談するか、他の処分方法を検討してください。
バッテリーの無料処分は可能か?
「膨張したバッテリーを処分するのにお金はかかるのだろうか」と心配される方もいるかもしれませんが、多くの場合は無料で処分が可能です。
Apple StoreやApple正規サービスプロバイダでは、リサイクルプログラムの一環として、膨張の有無にかかわらずiPhone本体を無料で引き取ってくれます。これは、処分のみを目的とした持ち込みでも同様です。
また、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルといったキャリアショップでも、無料で回収サービスを提供しています。これは、携帯電話業界全体でリサイクルを推進するための取り組みであり、利用者に費用は発生しません。
お住まいの自治体が設置している回収ボックスや、指定の回収場所へ持ち込む場合も、基本的に処分費用は無料です。
ただし、これはあくまで「処分」する場合の話です。前述の通り、バッテリーを新品に「交換」してiPhoneを使い続ける場合は、保証の対象外であれば有料の修理サービスとなります。また、一部の不用品回収業者は有料で回収を行っていますが、3,000円から8,000円程度の費用がかかる上に、個人情報の取り扱いなどに不安が残る場合もあります。
したがって、処分だけであれば、Apple公式、キャリアショップ、自治体といった正規の無料回収ルートを利用することが、費用面でも安全面でも最も賢明な選択と言えます。
処分前に必須のデータ処理と初期化
iPhoneを処分に出す前に、必ず行わなければならないのが、個人情報の保護を目的としたデータのバックアップと本体の初期化です。これを怠ると、第三者に個人情報が渡ってしまう危険性があります。
Step 1: データのバックアップ
まず、大切な写真や連絡先、アプリのデータなどを新しい端末やクラウド上に移すためにバックアップを取りましょう。
- iCloudでバックアップ:
- Wi-Fiに接続します。
- 「設定」→「[ユーザ名]」→「iCloud」の順にタップします。
- 「iCloudバックアップ」を選択し、「今すぐバックアップを作成」をタップします。
- コンピュータでバックアップ:
- iPhoneをコンピュータに接続します。
- Macの場合はFinder、Windowsの場合はiTunesを開きます。
- 表示されたiPhoneを選択し、「今すぐバックアップ」をクリックします。
Step 2: iPhoneを初期化する
バックアップが完了したら、iPhone本体から全てのデータを消去し、工場出荷時の状態に戻します。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」と進みます。
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップします。
- パスコードやApple IDのパスワードの入力が求められるので、画面の指示に従って入力します。
この操作により、iPhone内の全てのデータが完全に消去されます。バッテリーが膨張して画面操作が難しい場合や、電源が入らない場合は、無理に自分で操作しようとせず、データを消去できない状態でApple Storeなどの処分先に持ち込み、相談してください。
バッテリー膨張に関するQ&Aを解説
ここでは、iPhoneのバッテリー膨張に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
画面が浮いてきたのですが、これはバッテリー膨張ですか?
その可能性が非常に高いと考えられます。バッテリーが内部で膨張すると、その圧力でディスプレイパネルが押し上げられ、本体フレームとの間に隙間ができたり、画面が浮き上がったりすることがあります。操作に支障がなくても、使用を直ちに中止し、点検・処分を検討してください。
膨張したiPhoneは、どのくらいの期間自宅で保管できますか?
明確な期限はありませんが、長期間の保管は推奨されません。膨張したバッテリーは不安定な状態にあり、保管環境やわずかな衝撃によって状態が悪化する可能性があります。安全のため、気づいた時点からできるだけ早く、数日以内には専門の回収窓口へ持ち込むことをお勧めします。
電源が入らず初期化できません。どうすれば良いですか?
無理に起動させようとせず、そのままの状態でApple Storeや正規サービスプロバイダに持ち込んでください。事情を説明すれば、専門のスタッフが適切に対応してくれます。キャリアショップでも相談可能ですが、データ消去のプロセスについては店舗によって対応が異なる場合があるため、Apple公式サービスの方がより確実です。
非正規店でバッテリー交換をした後、膨張しました。Appleで対応してもらえますか?
非正規店での修理は、Appleの保証対象外となります。そのため、無償での修理や交換は受けられませんが、本体のリサイクル回収(処分)については、多くの場合で対応してもらえます。まずはApple Storeに相談してみるのが良いでしょう。
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まとめ:iphone バッテリーが膨らんだ際の最適な処分
この記事で解説した、iPhoneのバッテリーが膨張した際の処分に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- 膨張したバッテリーは発火や爆発の危険がある
- 原因は主に経年劣化や不適切な充電方法
- 穴を開けたり圧力をかけたりするのは絶対にNG
- 一般ごみとして捨てる行為は火災の原因となり危険
- 応急処置として電源を切り金属製の容器で保管する
- 最も安全な処分先はApple Storeまたは正規サービスプロバイダ
- キャリアショップでも無料で安全に回収可能
- 多くの大手家電量販店では膨張バッテリーは回収対象外
- 自治体の回収ルールは事前に必ず確認が必要
- 処分費用はAppleやキャリアでは基本的に無料
- 処分前にはデータのバックアップを必ず行う
- バックアップ後は本体の初期化を忘れずに実行する
- 電源が入らない場合は無理せずそのまま相談窓口へ持ち込む
- バッテリー交換か本体処分かは機種の古さで判断する
- 少しでも異常を感じたら速やかに使用を中止し相談する

